映画「硫黄島からの手紙」

だいぶ遅くなり、話の鮮度としては落ちているのですが、一応。

凄くバランスがとれている映画だと思いました。
どこがバランスがとれているかというと、

1.栗林中将を完全無欠の司令官と描いていない。

 ややもすると、栗林中将(渡辺謙)を完全無欠の司令官のように描いてしまいがちですが、そうではありませんでした。
 陸軍と海軍がお互いに情報のやりとりをせずに、日本軍は戦っていたのは今となっては歴史の事実ですが、それだけでなく、栗林は上級士官の心をまったくつかんでいませんでした。
どうも、これも事実のようですが、それを映画でもしっかり描いていました。

 戦いが始まる前の幕僚たちのとの対立や、戦闘がはじまっても幕僚たちとの連携がうまくいかず、「作戦の立てようがない」といらだつ栗林の姿は印象的でした。


2.アメリカ兵も戦時国際法違反をする

 ステレオタイプに、日本兵は戦時国際法をしらず敵の投稿はゆるさなかったが、米兵は知っているといわれます。
 しかし、そんなことはないだろう、とかねてから思っていました。
 米兵が投稿した清水(加瀬亮)を射殺するシーンをみて、日本=悪、アメリカ=善という図式ではなく、戦場の姿をリアルに描いています。 


3.西郷のからませかたが自然。

 西郷(二宮和也)のからませかたも自然だと思いました。
 「ん?君は見たことがあるな」
 という感じで、自然な出会いになっていました。2度あることは3度あるとか、西郷のような一兵卒と栗林の絡ませ方も違和感なくうけとめてしまいました。

もちろん、映画ですから、ツッコミたくなるところもあります。
たとえば、最後に、副官が米兵から打たれるのですが、どうしてその米兵は栗林のもとにいかなかったのか。それに、いつの間にか最後の突撃をかける前に、栗林が副官の支えなくして歩けなくなっていることなど。
でも、そういうのはなしで、とてもすぐれた映画だと思います。2時間30分近くの時間の長さをまったく感じませんでした。

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