京都塾講師児童殺人事件の余波~検定制度導入の怪

こんな新聞記事を目にした。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
学習塾の業界団体である全国学習塾協会(本部・東京都豊島区)は、塾講師向けの検定試験制度を07年度に創設し、講師の倫理や行動規範についても評価基準に盛り込むことを決めた。京都府宇治市の学習塾で昨年12月、児童がアルバイト講師に殺害された事件を教訓に、講師選考に人格面の評価も取り入れ、資質向上をはかる。政府も制度構築を支援し業界全体に受験を奨励する考えだ。

 検定制度は、全塾協が厚生労働省の外郭団体の補助を受け05年春から準備を進めていた。当初は教科指導の技術向上が目的だったが、事件を受け、法令順守の意識など講師の資質が備わっているかチェックするよう大幅に見直すことにした。
・・・中略・・・
 全塾協は、加盟業者に講師を受験させるよう働きかけると同時に、非加盟の学習塾にも試験を開放する。塾業界を所管する経済産業省も受験を奨励する方針で、保護者の認知度も高め、業界全体の標準にしたい考えだ。
 全塾協は、学習塾経営に関する情報交換や、認知度向上を目的に88年に設立された社団法人。事件の起きた京進など、大手学習塾を含む約700業者が加盟している。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 これをよんで

 1 業界団体が「自主ルール」として検定試験を行い、質の向上を図る。これ自体は望ましいことだ。

 2 しかし、これに経済産業省が介入し、「業界全体の標準」にするのは、いかがなものか。業界をある団体に加入させルールを作る。「護送船団方式」の行政・業界中軸協調型経済そのもの。

 と思った。

 つまり、国の各省がからむと必ず、補助金や、天下りの問題に結びつく、そうならなかった例はおそらくない。補助金や天下りに要する費用は当然税金であり、すなわち行政コストがプラスされるということだ。
 「官から民へ」がさけばれる一方で、民になにかあるとすぐ官の関与を求める動きがでる。問題は、そのときの官の関与がほどよい関与というか、適切な関与であればよいのだが、往々にしてこうしたときの官の関与は、民間のエラーにつけこんだ過剰な関与となる。
 
 我々にも問題がある。すぐ何か事件があると、個別事象を一般事象、構造問題にしたてあげたがる。いわゆる「心の闇は深い」というフレーズに逃げるのだ。今回の塾講師による殺人事件も、一人の大学生の犯罪であり、学習塾業界全体の問題とはとても思えない。

 多くの国民は、「だから学習塾の講師の質の向上を」なんて本当に思っているのだろうか。思っているとしたら、それはタダではない、ということを認識しているのだろうか。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • 「京都塾講師児童殺人事件の余波~検定制度導入の怪」について

    Excerpt: 「京都塾講師児童殺人事件の余波~検定制度導入の怪」について 正に御意見の通りです。実はこの検定制度が仰せの通りに Weblog: *自由の翼*ITUKYUU racked: 2006-01-13 20:00
  • 宇治学習塾女児殺害事件、被告に懲役18年(求刑無期懲役)の判決…京都地裁

    Excerpt:  京都府宇治市の学習塾「京進宇治神明校」で05年12月、小学6年の堀本紗也乃(さやの)さん(当時12)が刺殺された事件で、殺人罪と銃刀法違反罪に問われた同塾の元アルバイト講師萩野裕被告(24)の判決公.. Weblog: 政治・文化・社会・経済・科学ニュースと世間の目 racked: 2007-03-07 13:59
  • アルバイトと税金について

    Excerpt: よくアルバイトをしていると、「103万円(130万円)以上稼ぐと税金がかかる」ということを聞いたことがあると思います。つまり、103万円(130万円)以上稼ぐと所得税を支払わなければならないし、103.. Weblog: タウンワークでアルバイト探し!【タウンワーク(TOWNWORK)情報ブログ】 racked: 2007-07-03 02:07